幼馴染み~初恋物語~

健一や龍聖のようなカッコいい言葉でもなんでもない、和樹の囁き。

それでも気持ちは充分伝わってくる。

真っ赤に頬を染めた櫻も和樹の耳元で言った。

「私も和樹君だけ…………世界で一番カッコいいと思ってるよ…………」

中庭の隅で、二人で照れて真っ赤な顔になっていた。

これが恋愛経験の少ない二人の素直な反応だった。

手を繋ぐだけでもドキッとする。

肩に手を回されるだけでも、ドキドキする。

「可愛い」「カッコいい」と口にして伝えるのも恥ずかしい。

初々しい二人は、初恋を楽しんでいた。