幼馴染み~初恋物語~

購買部でパンを買って、中庭で一緒にお昼ご飯を食べていた二人。

「和樹君の隣の席の有紗ちゃんって可愛いね?」

彼氏が他の女の子と仲良く話していると、必ず出てくる嫌味と嫉妬の会話。

櫻もやっぱり不安で、聞いてみた。

「そっか?別になんとも思わないけど?」

この言葉が櫻は欲しかった。

ただ自分の不安を解消するための、誘導尋問である。

「最近、仲良くしてるから、可愛いと思ってるのかなぁ?ってちょっと心配だったんだ…………」

少し寂しそうに俯くと、和樹がそっと肩に手を回してきた。

「えっ…………」

健一先輩とか龍聖君の時と、ドキドキの比が違いすぎる…………

和樹君だったら…………

こんなに幸せなんだ…………

そこで和樹が櫻の頭を押さえて耳元で囁いた。

「俺は櫻だけしか…………可愛いと思ってないよ…………?」