幼馴染み~初恋物語~

入学式、学校紹介など新入生が少しずつ落ち着いてくる4月中旬。

櫻は学年も最上級生になり、新入生が見学に来たり、仮入部してみたりと、部活に力が入る時期。

櫻と和樹がいつものように登校していると、仮入部したテニス部の男子から挨拶された。

「おはようございまーすっ!!」
「おはようっ!!ねぇねぇ。和樹君?なんか懐かしいね?1年の頃は、こうして張り切って挨拶してたよね?」

「してたよな?櫻が先輩だって。中1の子とそんなに見た目は変わんないのにな?」

そんな冗談に頬を膨らませて、怒った振りをする櫻。

「うるさーいっ!!別に見た目なんていいもんっ!!」

「怒ったら可愛い顔が台無しだよ?」

「もうっ!!髪を切ったら少しは、お姉さんぽくなったと思ってたのにーっ!!」

和樹の肩を思いっきり叩こうとしたら、避けられた。

「避けないでよーっ!!」

「やだよ。当たったら痛いじゃん?」

もう一度叩こうとするが、本気で逃げられると追い付けない。