幼馴染み~初恋物語~

少し不安そうに髪を触りながら尋ねてみる。

「似合わないかなぁ…………?」

一番心配なのは、彼氏に似合わないと思われる事。

いつでも可愛いと思ってもらいたい。

そんな櫻の気持ちを察したように和樹が笑った。

「似合ってるじゃんっ!!前より可愛いと思うよ?学校行こっ!!」

和樹が頭をポンポンと叩くと、満面の笑みが溢れる。

「うんっ!!行こっ!!」

始業式でも櫻はニコニコと嬉しそうに笑っていた。

可愛いって言ってくれた…………

もっともっと可愛いって思われたいな…………

たった一言「可愛い」と言われるだけでも、凄く嬉しい。

恋人のいる時間は凄く楽しいものだと実感する。

そんな櫻は和樹や柚乃と同じクラスになり、龍聖は違うクラスになった。

和樹と一緒に授業を受けられる1年間が始まる事を素直に喜ぶ櫻だった。