幼馴染み~初恋物語~

数日後のクリスマスイブ。

櫻は部活が終わると、そのまま電車に乗って和樹が入院している病院に向かった。

電車に揺られている櫻は、テニスのラケットケースを肩に掛け、斜め掛けのスポーツバッグをぶら下げて、手には紙袋を持っていた。

「和樹君喜んでくれるかなぁ?」

ニコッと笑って紙袋を眺めた櫻が、持っているのは、和樹へのクリスマスプレゼント。

サッカーボールの形をした目覚まし時計。

お見舞いを兼ねて、サプライズプレゼントの演出の為に、和樹に黙って病室の前までやって来た櫻の耳に、聞いたことのある女の人の声が聞こえた。

「櫻って子とどうなってるの?付き合えた?」

「ううん。どうもなってないけど、仲良いよ?」

声の主は、和樹の元カノの杏佳だった。


「もう告白したの?」

「まだしてないけど…………そのうちしようと思ってるよ?」

「あの子と付き合うために私と別れたんでしょ?しっかりしてよね~?」

そんな話を病室の前で聞いていた櫻は、驚きを隠せなかった。

えっ…………

そうなんだ…………

私と付き合うために、杏佳さんと別れたんだ…………