幼馴染み~初恋物語~

次の日になっても、またその次の日になっても櫻は、まだ気持ちの整理がつかないまま。

入院中の和樹がいない学校では、相変わらず龍聖が櫻をお手伝いさんのように使っていた。

それでも櫻は、面倒そうに「もう…………自分でやりなよぉ…………」なんて言いながらも、龍聖の命令に従っている。

女ならみんなが持っている、人に何かをしてあげて喜んでもらいたい。という母性本能がそうさせていた。

ただ以前と違う事が1つだけある。

「ジュースを買ってきたよ~」

櫻がそう言ってジュースを渡しても、何も返事がなかった龍聖が、今はニコッと微笑んで「ありがとう」と言うようになった事。

誰も傷つけたくないという櫻の優しさが、実は一番残酷だという事を、今の櫻にはまだわからなかった。