幼馴染み~初恋物語~

結局、櫻の出した答えは曖昧なものだった。

「もう一度…………友達からやり直せないかな………」

今の気持ちを整理するには、時間が足りなさ過ぎた。

泣いている龍聖を傷つけたくないという気持ちと、もう少し頭が整理できたら付き合いたいという気持ち。

そんな櫻をが思わず出た優柔不断で無難な言葉だった。

恋愛において、友達という言葉は実に便利なものである。

告白されてた相手と付き合いたくない時に、相手を傷つけないように使う「友達でいましょう」という使い方

これからも友達でいたいけど、付き合うつもりはないという「友達としては好きだけど」というlikeであってloveではないという使い方。

恋人候補だが、本命じゃない時には「もう少し友達でいよう」なんてキープする使い方。

そして櫻が言った言葉は、恋人同士が些細な喧嘩をして、合わないから別れようと思っても、未練がある時にもう一度時間を置いて考える「友達からやり直そう。またお互いの事が好きだと思えれば…………」という使い方。

色々と微妙なニュアンスで使い分けられる言葉を使った櫻の本心は、もう少し龍聖と一緒にいたいという事だった。