幼馴染み~初恋物語~

「もうっ!!苦しいよぉ…………」

なんて言っていても、さっき連れ去られそうになって怖かった櫻は、抱き締められると安心してそっと目を閉じる。

さっきの龍聖君…………

カッコよかったね…………

助けてくれてありがとう…………

ぼんやりとして、抱き締められていた櫻の耳に、ジュッ…………ジュルッ…………と龍聖が鼻をすする音が、聞こえてきた。

龍聖は涙を隠したい為に、抱き締めてきたのだろう。

だから泣いてるのを気付かない振りをして、何も泣いている原因を聞かずに、今日のお礼を言った。

「今日はありがとう…………」

「ごめん…………和樹を怪我させたの…………わざとじゃないんだ…………」

サッカーを知らない櫻には、わざと怪我をさせるプレイが、どんなものかわからない。

ただ、龍聖の言葉に嘘はないのだろうと思った。