幼馴染み~初恋物語~

和樹が担架で運ばれて行き、救急車サイレンの音が櫻のいるスタンドにも聞こえる。

「行かなきゃ…………」

櫻は慌てて救急車のサイレンが聞こえた方向に向かって走り出した。

試合会場の外に出ると、100メートルほど先に、救急車の後ろが開いているのが見える。

そこに担架に乗せられた和樹がいて、顧問の先生が乗り込む所だった。

櫻は和樹の容態を聞こうと、慌てて走ったが救急隊員が扉を閉めていく。

「和樹くーんっ!!大丈夫っ?」

その時、和樹が手を上げて櫻に向かって手を振った。

大丈夫という合図なのか、今日見に来てくれてありがとうという合図なのか。

とりあえず大丈夫そうなので、櫻は安堵した表情で救急車を見送った。