幼馴染み~初恋物語~

「あ…………あの…………」

櫻が愛瑠に言おうとした時、和樹と修が自転車の周りで何やら騒いでいた。

「やったーっ!!もう乗れるようになったよ~っ!!修君っ!!ありがとう!!」

「やったな?和樹っ!!これで俺の家に遊びに来いよ?」

「うんっ!!」

そこへ櫻と愛瑠も駆け寄っていく。

「和樹君っ!!頑張ったね?今度一緒に自転車でお出かけしようね?」

「うんっ!!一緒に行こっ!!」

「愛瑠も一緒に行く~っ!!」

そして最後に兄貴分の修がみんなをまとめた。

「今度、みんなで自転車に乗って遊びに行こうか?」

「さんせーっ!!」

4人が盛り上がっている中、櫻はチラッと和樹を見た。

私…………

和樹君が好きなんだ…………

これが好きって事なんだ…………

頑張ってる和樹を見てドキッとしたり、愛瑠の行動で不安になったり。

子供向けのアニメでも、目がハートマークになったり、ドキドキしたり、顔を赤らめるシーンが多々ある。

それと同じ「好き」という気持ち。

いつも一緒にいて当然だと思っていた和樹が、家族の一員のような感情ではなく、初恋だという事に気付いた櫻。

しかし愛瑠が、和樹を好きなのかどうか、依然わからない。

櫻の不安を残したまま、また学校生活が始まるのだった。