幼馴染み~初恋物語~

教室に戻って来た櫻が、廊下にいる龍聖を見つけた。

「よっ!!ありさっ!!今日も可愛いね~。お人形さんみたいっ!!」

「えへへっありがとね~」

「あっ!!なおみんっ!!髪型決まってるじゃん?」

「今日は彼氏とデートだから、ちょっと頑張ってみたんだ~」

男3人で集まって、廊下ですれ違う女の子に声をかけていると、女の子側もまんざらでもない様子。

しかし櫻が龍聖達の目の前を通りすぎたが、無視された。

ちょっ……ちょっとっ!!

それはそれで失礼じゃない?

どうせ私は胸もぺったんこなチビッ子ですよーだっ!!

別に可愛いとか言ってもらわなくてもいいけど…………

その櫻の後ろを歩いていた、茶髪の化粧の派手な子には声がかかる。

「ゆ~きりんっ!!その鞄についてるストラップ可愛いじゃん?どこで売ってたの?今度一緒に買いに行こっか?」

「近所のショッピングモールだよ?一緒に買いに行ってもいいよ~」

「じゃあ今度の土曜でどう?」

「うんっ!!大丈夫っ」

デートの誘い方も計算ずくで、あっさりと約束を取り付ける龍聖。

こんな軽い男に頼み事をするなんて、あり得ないと思った櫻は、結局何も言えないまま数日が過ぎていった。