幼馴染み~初恋物語~

しかし和樹は櫻の誘いに乗って来なかった。

思春期独特の謝るのが恥ずかしいという気持ちが邪魔をする。

映画に誘った時も、櫻に謝れたのは会った時ではなく、帰り際だった。

「俺、謝ってまでサッカーしたくねぇよ…………」

「半年も休んでたんだから、まずは謝らないと。もちろん許してもらえるかどうかはわかんないけど…………」

「そうだろ?怒られて、部活に戻れなかったら、謝り損だからな?」

変な理屈で謝らないのを正当化する和樹に、真剣な眼差しの櫻が尋ねた。

「もし戻れるなら、頑張ってサッカーする?もう休んで部員の人に迷惑かけたりしない?」

「そうだな?戻れれば、頑張るよ?どうせ無理だけどな?」

櫻はミラクルを見た影響で、愛する人の為に自分が犠牲になる唯に感化されていた。

私が先生に話してきてあげる…………

代わりに私が怒られてあげる…………

それで和樹君が楽しく学校生活を送れるなら…………