公園からの帰り道。

和樹はこの前、怒鳴った事を櫻に謝った。

「この前はごめん…………俺、よく考えたんだけど、2学期から学校に行くよ。これからもよろしくな?」

「えっ…………うんっ!!これからもよろしくねっ!!」

やっぱり私が怒った事が通じたんだ…………

言いにくい事も言ってあげるのも、幼馴染みの役割なのかな…………?

笑顔で喜んだ櫻が気になるのは、夜遊びをやめて学校に来るという事は、もしかしたら杏佳と別れたのか?という事。

しかし和樹の話には続きがあった。

「杏佳が学校に行けって言うからさ?あんまり学校に行ってなかったから、クラスに友達もいないし、櫻が話しかけてくれたらありがたいかな?」

「いいよっ!!これからも友達でいようね~っ!!」

そう言って、立ち直ってくれた和樹に向かって満面の笑顔を作ったものの、複雑な気持ちが残る櫻。

別れたわけじゃないんだ…………

友達でもいいなんて思ってたけど…………

やっぱり恋人がいいな…………

夏の暑い日の夜、櫻は布団の中で涙を流した。

和樹との距離が近付けば近付くほど、好きになってしまうのに、恋人になるのは無理なのだから。