幼馴染み~初恋物語~

和樹が公園の隅まで行くと、また逆戻りして、修に支えてもらっている和樹の自転車が、櫻達の前を通りすぎる。

「和樹っ!!前を見てしっかりペダルを漕いでっ!!」

「うんっ!!」

「もう一回行くよーっ!!俺が持っててやるから、絶対倒れないし、前だけ見てて?」

「わかったっ!!」

一生懸命教える修と、一生懸命頑張る和樹はまるで兄貴分と弟分のようにも見える。

また自転車が櫻の前に戻ってきた。

一生懸命頑張ってる和樹君…………

かっこいいなぁ…………

少し胸がドキッとする感覚に浸っていた櫻の隣にいた愛瑠が、和樹に向かって叫んだ。

「和樹君っ!!カッコいいよーっ!!」

それを聞いた櫻は、一瞬、違和感を感じて戸惑った表情で愛瑠を見た。

今…………

愛瑠ちゃんが、和樹君の事をカッコいいって…………

もしかして、愛瑠ちゃんも和樹君の事…………

好きなのかな…………?

小学生のカッコいいは好きと同じ意味合いを持ってる場合が多く、櫻も同じような事だと思って心配になった。