幼馴染み~初恋物語~

5組のバンドの1組目が修のいるバンド。

有名なバンドの曲を演奏して盛り上げる。

「みんなーっ!!盛り上がってくれよなーっ!!」

ギター担当の修が言っても、観客から何の反応もない。

今日が初ライブの前座で、知り合いが付き合いで来てくれているうちはそんなもの。

ステージの前にいるのは、50人程度で、他の人は次のバンドが目当てなのか、後ろの方で雑談しているような風景。

「櫻…………何か修の応援してやれよ?修くーんっ!!みたいなやつ」

「えっ?やだよ…………恥ずかしいし」

和樹も櫻も知ってる歌だと手拍子はするが、知らない歌になると、楽器が演奏されている最中でも雑談していた。

後ろをチラチラと見ていた和樹が、櫻の耳元で言う。

「なーっなーっ!!あの後ろにいる店員さんの髪型すげーな?」

「本物のモヒカンなんて初めて見た~っ。スプレーで固めてるのかな?」

「あの髪型を作るのに、スプレー1本使うらしいよ?櫻もあんな髪にしたら?」

「無理無理っ!!」

地方の小さなライブハウスのそんな風景が物珍しい二人だった。