幼馴染み~初恋物語~

給食ももうすぐ食べ終わる頃、修が和樹にこんな事を言った。

「今度さぁ?俺の家に遊びに来いよ?自転車だったらすぐに来れるだろ?」

すると和樹と櫻の表情が少し曇る。

「あの…………僕はまだ自転車に乗れないんだ…………歩いたら遠いかな?」

「自転車なんて練習すれば簡単に乗れるだろ?」

「……………………」

黙ってしまった和樹を見て、櫻が割って入った。

「和樹君は自転車で転ぶと痛いから嫌なんだって…………」

「愛瑠なんて1日練習しただけで乗れたから、すぐに乗れるよ?」

「でも…………」

サッカーも上手くて、駆け足も速い和樹だが、自転車は転んだ時に痛かったので、それから怖くなったのである。

すると修が笑いながら和樹の肩を叩いた。

「あんなに運動神経いいのに、自転車に乗れないってなんだよ~?すぐに乗れるようになるって。俺が乗れるようになるまで和樹の練習に付き合ってあげるよ?」

そんな修に、櫻と愛瑠も同調する。

「私も練習に付き合うから和樹君も頑張ろ?」

「愛瑠も見に行く~っ!!」

この空気では和樹も断るなんて選択肢はない。

今日の学校が終わったら近所の公園に4人で集まって、和樹の自転車の練習をする事になった。