幼馴染み~初恋物語~

「ひっく…………ひっく…………グスン…………妹か…………」

出会った時、初めて知り合った先輩という存在。

夏のキャンプでも頼りにしていた。

お祭りに行っても、ぬいぐるみのくじをさせてもらった。

櫻にとっても、健一は憧れの優しいお兄さんだった。

当然、健一が妹のように思っていても仕方がない。

可愛いとか好きだとか、まだ付き合っていける要素がありそうな言葉が並ぶが、それも健一の優しさなのだろう。

好きじゃなくなったとか…………

嫌いになったとか…………

言わないのが健一先輩なんだよね…………

俯いていた櫻は、健一に深々と頭を下げた。

「いつも優しくしてくれて…………ありがとうございました…………」

櫻も健一の別れたいという気持ちを、受け入れるしかなかった。

櫻はまだ中学2年生。

幼い恋は全力でぶつかった結果、健一に重くのしかかり、突然の別れが来た初夏。

この経験が、あまり会いたいとワガママを言わないようにする事や、子供っぽい発言は避けるなど、櫻を大人の女に成長させていくのである。