夜に友達と遊んで、朝方に帰ってきて、昼間に寝るというのは、気楽で楽しいもの。

和樹は櫻に合わせる顔がないという自己嫌悪に陥り、杏佳を頼って楽な道へ逃げたのだ。

学校に行かなくてもいい。

そうすれば、厳しい部活もない。

そして何より櫻と顔を会わせなくて済む。

杏佳の彼氏ということで、不良グループから優しく接してもらえる気楽で楽しい生活が、和樹を学校から遠ざけていたのだ。

卒業式に現れた和樹も杏佳も、何をしに来たのかさえ不明なまま、暴走して目立つだけ目立って帰っていった。

櫻にとって卒業式は、卒業生をお祝いする場ではなく、和樹が別人のようになっていたというショックだけが残るものとなった。