幼馴染み~初恋物語~

雨の中で見つめ合う二人は、無言のまま微妙な空気。

櫻がふと思い出したのは、健一にキスをされた時の事だった。

あのとき…………

和樹君を忘れられるかも知れないと思った…………

キスをしてきた健一先輩にドキドキしてたような…………

櫻はこの微妙な空気に飲み込まれていく。

健一先輩の方が優しくて、大人だから幸せにしてくれるはず…………

もしかすると、もう健一先輩の事を好きになっていたのかも知れない…………

一瞬だが、そんな考えが脳裏を過った。

健一の抱き締めていた手の力が強まると、櫻も心を決めた。

これが和樹君とお別れするための儀式なら…………

私も受け入れよう…………

櫻は健一が目を閉じたのを確認すると、自らも瞳を閉じて背伸びをした。

和樹を忘れるため。

健一と付き合うという意思を自分に言い聞かせるために。

雨が降る寒い冬空の下で、二人の唇が重なりあった。