幼馴染み～初恋物語～

「んっ？今、なんて言いましたか？」

なんとなく聞こえていた櫻だが、もう一度聞き返した。

恋を応援するってどういう事なんだろう…………？

いつでも励ましてくれてるのに…………

そんな気持ちを込めた質問返しだった。

「櫻ちゃんがそんなに好きなら、１度告白してみたらどうかな？って前から思ってて…………」

自分が櫻と付き合いたいと思っていた健一は、これまで口にしなかったが、櫻が幸せになれるなら。という中学卒業前の大きなプレゼントを用意していた。

「柚乃ちゃんの話では、俺と櫻ちゃんが付き合ってるみたいな噂になってるんだろ？」

「う～ん…………そうみたいですね…………」

「俺から、和樹君に付き合ってないって話してみるから、櫻ちゃんは頑張って告白してみたらどうかな？って」

その言葉は、あと3ヶ月経てば高校生になる健一の、事実上の櫻との別れの挨拶でもあった。