幼馴染み~初恋物語~

卒園式の帰りも、またいつもの公園に立ち寄った。

今日は卒園式のため、昼過ぎに公園に来たので、サッカーをしている小学生もいないし、遊んでる人もいない静かな公園。

誰もサッカーをしていないので、和樹と櫻は一緒にブランコで遊ぶ事にした。

元気のない櫻がブランコに乗って、和樹が背中を押す。

なんとなく気まずくて、言葉もなく、ただブランコをしているだけ。

何も楽しくなかった。

その時、ふと和樹がある事を思い出した。

「櫻ちゃん?」

「んっ?どうしたの?」

さっきまで泣いていて、赤い目をした櫻が後ろを振り返ると、和樹はニコニコと嬉しそうに笑っている。

和樹がポケットから何かを取り出すと、後ろ手に隠した。

「昨日のお守りのお礼に、これあげるよ?」