幼馴染み~初恋物語~

たこ焼きを買った後、人混みを歩いていると、腕を組んで甘えてくる杏佳。

するとこれまでは恥ずかしくて、一切何もしなかった和樹は杏佳の肩に手を回して、頭を数回撫でた。

「あっちに座ろっか?ベンチが空いてるよ?」

「いいよ~」

これまでは杏佳がリードしてきたが、今は和樹が先導役だ。

和樹も櫻と同じように、こういうデートを櫻としたいと思っていたのだ。

照れ臭くて、これまでは好きだと言えなかった。

意地を張って、櫻のファーストキスの相手も聞き出せなかった。

夏休み中には付き合えるかも?と言っていた櫻を、横取りするつもりで告白することも出来なかった。

そして、今の櫻は健一の恋人のようだ。

今なら、もう少し素直になれると思っていた和樹。

後悔先に立たずである。

和樹は杏佳と付き合う事で、恋愛においては少しずつ成長させてくれていた。