幼馴染み~初恋物語~

地元の神社で行われる年に1度のお祭りの日。

神社の境内には、露店がたくさん並んでいて、地元の人がいっぱい集まっている。

部活が終わった櫻も、夜になるとテニス部の部員10人で集合して一緒に祭りに来ていた。

道中の露店を見ていると、部員が口々に言う。

「俺、とうもろこしが食べたいっ!!」

「私は隣の店のたこ焼きっ!!」

「じゃあお前ら二人で並んでろよ。後で連絡するから」

境内に並ぶ露店の間の人混みを歩いていると、途中で食べたいものが見つかるが、並ばないと買えない。

しかし10人の大所帯で移動するとなると、人の流れを止めるわけに行かないので、露店の前に並びたい者は置いていく形になってしまう。

「俺、鉄砲で景品落とすの得意なんだ~っ!!一回やっていくよ。」

「面白そうっ!!俺もやるっ!!」

こうして人数は減っていき、人混みから避けられる露店の裏の、暗い木陰に来たのは櫻と健一と柚乃の3人だった。