幼馴染み~初恋物語~

次の日の昼休み。

何かに取りつかれたように、緊張した無表情の顔で、櫻は和樹の机に向かっていく。

笑って、お祭りに行くの?って聞くだけ…………

そこから、また仲良くなれたらいいな…………

「あっ…………あっ…………あのさぁ?」

櫻が和樹を呼んで肩を叩こうとした時、それを上回る大きな声が廊下から聞こえてきた。

「和樹くーんっ!!!!」

櫻が一番聞きたくない声。

杏佳だった。

「あっ!!今いくから~」

和樹が立ち上がった目の前には櫻がいる。

久しぶりに目の前に立った櫻は、緊張して目を泳がせてしまった。

無視しないで…………

冷たい事を言わないで…………