幼馴染み~初恋物語~

櫻は劇が終わって教室に戻っても、どんよりした表情をしていた。

唇にちゅーしていいのは好きな人同士の時だけなのに…………

私は真吾君が好きじゃないのに…………

ちゅーしたら、もう和樹君の事を好きだと思ったらダメなのかなぁ…………?


ここで櫻が考えている好きというのは、まだまだ恋愛感情と呼べるものではないのかも知れない。

家族を好きという気持ちと同じようなもの。

しかし漠然とイケナイ事をした。という気持ちが残っている。

和樹君…………

見てたよね…………

小人の人はみんな周りに集まってたから…………

ちゅーしたから、私は真吾君のお嫁さんにならないといけないのかなぁ…………?

どうしよう…………

幼い櫻はキスの事を、結婚式で行われる誓いのキスだと思い込んでいて、途方にくれていた。