健一の半歩後ろを歩いていた櫻が、脅えた声で言う。
「健一先輩…………私、暗い所が苦手なんですけど…………」
「この山奥は本当に幽霊が出るらしいよ?」
「えっ…………」
櫻の表情がみるみるうちに暗くなり、俯いていく。
月の明かりに照らされた、櫻の怖がっている表情が見えた健一はクスッと笑った。
「嘘だよ~?幽霊なんているわけないじゃんっ!!」
「もう…………意地悪言わないでくださいよぉ…………」
「ごめんっごめんっ!!」
悪戯っぽく笑う健一の表情を見た櫻は、また和樹と重なって見えた。
こういう所…………
和樹君にそっくり…………
健一先輩って、こういう部分もあるんだ…………
和樹と違って完璧な健一は大人で、別世界の人だと思っていたのが、少し親近感を覚えた櫻だった。
「健一先輩…………私、暗い所が苦手なんですけど…………」
「この山奥は本当に幽霊が出るらしいよ?」
「えっ…………」
櫻の表情がみるみるうちに暗くなり、俯いていく。
月の明かりに照らされた、櫻の怖がっている表情が見えた健一はクスッと笑った。
「嘘だよ~?幽霊なんているわけないじゃんっ!!」
「もう…………意地悪言わないでくださいよぉ…………」
「ごめんっごめんっ!!」
悪戯っぽく笑う健一の表情を見た櫻は、また和樹と重なって見えた。
こういう所…………
和樹君にそっくり…………
健一先輩って、こういう部分もあるんだ…………
和樹と違って完璧な健一は大人で、別世界の人だと思っていたのが、少し親近感を覚えた櫻だった。


