卒園式当日。
真っ暗な体育館に、舞台の上だけライトが照らされている。
保護者達が見守る中、お遊戯会が始まった。
歌を歌うクラスもあれば、楽器を演奏するクラスもあり、櫻達のクラスのように演劇をするクラスもある。
クラスの数は全部で6クラス。
櫻達のクラスの順番は一番最後。
教室で着替えて順番を待つ子供達の中に和樹と櫻もいる。
「どう?お姫様の格好似合う?」
くるっとその場で1回転して、ドレスのスカートを指先で摘まんでフワッと浮かせて、首を傾げるポーズを取った。
もう櫻の気分はお姫様。
「うんっ!!似合ってるよ?」
「ありがと~!!」
なんて笑い合ってる二人の真ん中を割って入ってきた王子様役の真吾が、櫻の手を握って連れていこうとする。
「櫻ちゃん?あっち行こ?」
「えっ…………うん…………」
一瞬、戸惑って足を止めた櫻だったが、和樹と話している最中に、真吾が半ば強引に櫻を教室の隅に連れて行ってしまう。
こういう時、女の子は多少強引な男に弱いもので、櫻も例外なく、抵抗できなかった。
「もうすぐ順番だね?緊張してる?」
「うん…………真吾君は芸能人だから緊張しないの?」
「まぁ普通の人よりはマシかな?何回も劇をしてるし、テレビにも出たりしてるからね?」
「真吾君って凄いね?」
こんな風に二人が話しているのを、ただ黙って見ている事しかできない和樹だった。
真っ暗な体育館に、舞台の上だけライトが照らされている。
保護者達が見守る中、お遊戯会が始まった。
歌を歌うクラスもあれば、楽器を演奏するクラスもあり、櫻達のクラスのように演劇をするクラスもある。
クラスの数は全部で6クラス。
櫻達のクラスの順番は一番最後。
教室で着替えて順番を待つ子供達の中に和樹と櫻もいる。
「どう?お姫様の格好似合う?」
くるっとその場で1回転して、ドレスのスカートを指先で摘まんでフワッと浮かせて、首を傾げるポーズを取った。
もう櫻の気分はお姫様。
「うんっ!!似合ってるよ?」
「ありがと~!!」
なんて笑い合ってる二人の真ん中を割って入ってきた王子様役の真吾が、櫻の手を握って連れていこうとする。
「櫻ちゃん?あっち行こ?」
「えっ…………うん…………」
一瞬、戸惑って足を止めた櫻だったが、和樹と話している最中に、真吾が半ば強引に櫻を教室の隅に連れて行ってしまう。
こういう時、女の子は多少強引な男に弱いもので、櫻も例外なく、抵抗できなかった。
「もうすぐ順番だね?緊張してる?」
「うん…………真吾君は芸能人だから緊張しないの?」
「まぁ普通の人よりはマシかな?何回も劇をしてるし、テレビにも出たりしてるからね?」
「真吾君って凄いね?」
こんな風に二人が話しているのを、ただ黙って見ている事しかできない和樹だった。


