幼馴染み~初恋物語~

そして櫻の順番になると、健一は肉と野菜を皿に入れて、櫻に微笑みかけた。

「野菜を切ってくれてありがとうなっ」

健一は初めて一緒に帰った時からいつもそうだ。

細かい事に気が利いて、何気ない「ありがとう」という言葉も、嬉しく思える。

和樹君と違って健一先輩は大人なんだ…………

無意識に次の柚乃の順番の時も、健一の事を櫻は目で追っていた。

「柚乃ちゃんは、買い出し係だったよね?ありがとう」

こうして健一は次の男子にも、「重い荷物を持ってもらって悪かったな?」と感謝の言葉をかける。

みんなに優しい健一を、櫻はしばらくぼんやりと眺めていた。

健一先輩って優しいなぁ…………

和樹君がここにいたら、きっと、川で遊んでばかりで、さっきみたいないじられ方をするんだろうなぁ…………

櫻は接してきた男の大部分が和樹であるため、どうしても二人を重ねて考えていた。