幼馴染み~初恋物語~

そんな杏佳の思いなど知るはずもなく、練習が終わった櫻は、みんなで部室に向かう頃には、体を動かして少しは気が紛れたのか、少しぎこちないながらも笑顔を取り戻していた。

「お疲れ~。上手くなったな?櫻ちゃんっ!!」

健一が櫻の肩を叩くと、ニコッと微笑んだ。

「ありがとうございますっ!!健一先輩が、休む間もなくボールを打ち込んで来てくれたから、上達したんですっ!!」

「そっか。じゃあ俺は鬼コーチだな?」

「そっ……そんなことないですよ~?私にとっては、す~っごく優しいコーチですっ!!」

「アハハハ!!俺は厳しいぞ~?あっ!!そうだっ!!8月になったら、テニス部の奴らでキャンプするんだけど、一緒にどう?今、男7人、女6人で、櫻ちゃんと仲のいい柚乃ちゃんも来るよ?」

すると、柚乃が二人の元にやって来た。

「櫻もいこーっ?人数いっぱいの方が楽しいじゃんっ!!バーベキューして、肝試しして、超楽しそうじゃない?」

「う~ん?私も行こっかな…………」

本当は今、キャンプに行きたい気分ではない。

しかし櫻は少しずつでも、前に進もうと努力していた。