しっかり台詞を言えるようになった和樹が劇の練習中に何回見ても嫌な気分になるシーンがある。
「どうか姫を助けてください」
「さぁっ!!こっちですっ!!一緒に行きましょうっ」
和樹の台詞の後、長椅子で寝ている櫻の元に王子様役の真吾を連れて行った後のシーンだ。
「なんて綺麗なお姫様だ。どうか生き返って…………」
真吾がそう言うと櫻の顔に近付いてキスの真似をする。
二人の顔の距離は15センチほど。
目を閉じた櫻と真吾の顔が近付くたびに、和樹はドキッとしてしまうのである。
唇にちゅーしていいのは好きな人同士だけなのに…………
なんか嫌だなぁ…………
そんな和樹の気持ちなど誰に気付かれる訳でもなく、劇の練習は続いていく。
「チュッ…………」
「私はいったいこれまで何をしていたのかしら?」
お姫様の櫻が目覚めて、劇は終了するのだが、それを見るたびに、何か複雑な気持ちが芽生える和樹だった。
「どうか姫を助けてください」
「さぁっ!!こっちですっ!!一緒に行きましょうっ」
和樹の台詞の後、長椅子で寝ている櫻の元に王子様役の真吾を連れて行った後のシーンだ。
「なんて綺麗なお姫様だ。どうか生き返って…………」
真吾がそう言うと櫻の顔に近付いてキスの真似をする。
二人の顔の距離は15センチほど。
目を閉じた櫻と真吾の顔が近付くたびに、和樹はドキッとしてしまうのである。
唇にちゅーしていいのは好きな人同士だけなのに…………
なんか嫌だなぁ…………
そんな和樹の気持ちなど誰に気付かれる訳でもなく、劇の練習は続いていく。
「チュッ…………」
「私はいったいこれまで何をしていたのかしら?」
お姫様の櫻が目覚めて、劇は終了するのだが、それを見るたびに、何か複雑な気持ちが芽生える和樹だった。


