幼馴染み~初恋物語~

「和樹君っ?」

嘘だと言って…………

お願い…………

櫻が祈るような気持ちで、慌ててトークアプリのページを開くと、和樹ではなくテニス部の先輩の健一からだった。

【今日部活休んでたけど、大丈夫?】

【はい。大丈夫ですけど、ちょっと…………】

大丈夫。とはっきり言わずに、思わせ振りな言葉を返す櫻。

誰でも良いから、話を聞いてもらいたかった。

でも自分から「失恋したんで、話を聞いてもらいたいです。」とも言いにくい。

そんな櫻の思わせ振りな言葉に、健一からすぐに返信が来た。

【ちょっと…………?何かあった?俺で良かったら話を聞くよ?】

櫻はこの返事を待っていたのだ。

寂しさを紛らわせるために。