幼馴染み~初恋物語~

それに気付いた櫻が、マジマジと顔を覗き込んだ。

「聞いてる?」

そんな櫻の声に、しどろもどろな感じで、適当に返事を返す和樹。

「えっ…………あぁ…………」

他人の視線は、気付かれていないと思っても、結構気付かれているもの。

それに男より、女の方が視野が広いので、和樹が櫻を見ていたのは、簡単に見抜かれていた。

「顔が赤いよ?どうしたの?」

「どうもしてねぇよ?暑いからさ?」

「そこまでまだ暑くないでしょ?クーラー入れよっか?」

「ううん…………熱でもあるのかなぁ…………」

櫻の隣にいると、朝にシャワーでも浴びたのか、シャンプーや石鹸の匂いが漂ってくる。

それに季節も暖かくなってくるので、薄着の櫻と体がぴったりくっついている。

思春期の和樹にとって、そんな刺激が照れ臭いのだった。