幼馴染み~初恋物語~

そこで櫻は、校舎裏で和樹と話していた杏佳の事を思い出した。

少女マンガなら、学校で二人きりになった時に、告白されたりするの…………?

一緒に帰る約束をして、どんどん仲良くなっていくの…………?

やっぱり休みの日は、デートするのかなぁ…………?

なんて勘ぐってしまう櫻。

杏佳の約束の前に自分の予定を入れてしまいたいと思った櫻が返事を返した。

【その日、良かったら私と一緒に宿題する?】

本当は一緒に遊びたい、映画に行きたい、カラオケにだって行きたい。

そんな気持ちを押さえて、友達という関係を強調する宿題という選択をした櫻。

一方の和樹も、もしも女の子と一緒に帰ったら、なんて言ってしまって、櫻に突き放されたのだから、友達と知り合いの中間まで戻った気分だった。

だからお互いに好きだと思って遊んでいた頃とは違い、少し誘いにくくなっていたので、櫻から誘ってくれた事を素直に喜んでいた。