幼馴染み~初恋物語~

結局、和樹は七人の小人の役をすることになったが、まだ納得がいかなくて教室の隅の方で泣いていると、櫻がやって来た。

櫻ももちろん和樹が王子様になれなかったので落ち込んでいる。

自分の好きな白雪姫の劇で、和樹と一緒に主役をしたかったのだから。

それでも何事もなかったような表情で和樹の頭を撫でた。


「もう泣かないで?小人の役でもいいじゃん?一緒に頑張ろ?」


今、櫻まで元気をなくしてしまったら、和樹が余計に傷つくのではないか?という気持ちでそう言ったのだ。

しかし和樹は到底納得できる様子ではない。
櫻の声に頷きながらも泣きじゃくったまま。

王子様になって、櫻ちゃんと劇がしたかったのに…………

きっと櫻ちゃんも一緒にしたいって思ってたはずなのに…………

ごめんね…………

こういう時に優しくされると余計に涙が溢れてくる。


「あいつが…………後出ししなかったら勝ってたんだよ…………?
小人なんてカッコ悪い…………お遊戯会なんてやりたくないよ…………」


まだブツブツと文句を言ってる和樹は、とうとう出たくないと拗ね始める。

その日の練習が始まっても上の空。