幼馴染み~初恋物語~

櫻が好き。と言ってるようなものだが、和樹本人はうまく誤魔化せてると思っていた。

これなら櫻の気持ちがわかるかも…………?

そんな事を考えながら、和樹はクスクスと笑って、携帯を眺めていた。

櫻からちょっと嫌かな?なんて言われたら両思い。

先に和樹の頭を過るのは、都合のいい返事。

しかし少し冷静になると、ダメな方の返事が思い付いて、不安な気持ちがやってくる。

櫻が祝福してくれたり、気のない返事をしてくれば、自分の勘違いで櫻は和樹を好きではないという証拠。

告白ではないので、気まずくないのが、この質問のいいところ。

しかし、櫻からいざフラれるという可能性があると怖くて、送信ボタンが押せない和樹。

既読マークが付いた後、10分、20分と時間が過ぎ、夕食ができたので、ご飯を食べるために和樹は携帯を放置した。

その間もドキドキしながら待っている櫻に返信が届いたのは、寝る間際。

【もしも俺が女と一緒に帰ったりしたら、櫻はどう思う?】

中学生が二人きりで一緒に帰るというのは、気のある証拠。

帰ろうと誘われても、断って欲しいと願う櫻だった。