幼馴染み~初恋物語~

好きな人の事は少しでも知っておきたい。
なかには知らなくてもいい事もあるが、それでも気になってしまう。

櫻はしばらく、携帯に文字を打ち込んでは、消して悩んでいた。

今日、何か変わった事あった?

「違うっ!!これじゃあ…………明らかに茶髪の人が待ってたのを知ってるみたい…………」

今日、部活が終わったあと何してた?

「やっぱりこれじゃ…………ストーカーっぽい…………」

そんな誘導尋問のような言葉が、色々と浮かんでくる。

そこまで深く考えなくてもいいような挨拶程度の会話でも、こういう時は深読みしてしまうもの。

和樹は恋人ではなく、ただの幼馴染みで、そこまで束縛できる権利はない。

色々と悩んでいた櫻は、こんな聞き方をしてみた。

【今日、何か面白い事あった?】

サッカーの練習の話をするかも知れない。

家に帰ってからの話をするかも知れない。

期待しているのは、杏佳と一切触れ合っていない事。

何もなかったという答えでいい。

これなら何も勘繰られない名案だと思った櫻は、そのように書き込んだ。