幼馴染み～初恋物語～

テニス部の練習が終わった夕方。

まだサッカー部も野球部も練習しているが、テニス部の割り当てられたグランドを使用できる時間は終わり。

部室で着替え終わった櫻は、テニス部の数人でいつも帰る。

校門を出る頃は、男女合わせて10人ぐらい。

そのメンバーは先輩も後輩もなく、みんなで帰るのがいつもの光景。

しかし今日いつもと違うのは、健一がその中にいる事。

「お疲れさんっ!!俺も一緒に帰っていい？」

「あっ!!健一先輩っ!!いいですよ」

「櫻ちゃん最近テニス上手くなってきてるね？少しコツを覚えた？」

「ありがとうございますっ!!」

「ボレーする時の手がまだ怖がってるから、そこを直すともっと上手くなるよ」

「速いボールが来ると、驚いちゃって…………何か良い方法はありますか？」

「そのうち慣れるから大丈夫だよ？」

櫻は始めたばかりのテニスが楽しくて、健一のアドバイスを聞きながら、テニス部の行列の中を二人で並んで歩いていた。