幼馴染み~初恋物語~

「和樹君に何か用ですか?」

少し緊張気味の櫻が言うと、茶髪の女の子が目をパチパチとして驚いた。

「えっ?あれ?和樹君は来てくれないの~?」

「今、忙しいから後で来てくださいって言ってます」

すると、金髪の女の子がまた笑った。

「あの子に、思いっきり避けられてんじゃんっ!!キャハハハっ!!マジうけるーっ!!」

「もうっ!!避けられてないって!!」

廊下から男子を呼んだのに、女子が用件を聞きに来ると、避けられてると思っても仕方がない。

金髪の子は付き添いのようで、和樹の名前も知らないようだ。

それに対して、茶髪の上級生は、和樹の名前を連呼している。

櫻はほんの少しでも、落とし物を届けに来たのかも?なんて思いたかったが、やはり女の勘は嘘をつかなかった。

この人…………

和樹君と友達か恋人になろうとしてるんだ…………