幼馴染み~初恋物語~

幼い日の婚約の後、ほんの少しだけ和樹も櫻も態度が変わった。

お泊まり保育の後、いつもの公園で遊ぶのも、櫻は砂場で待っているだけではなく、和樹が蹴ったボールを拾ってみたり。

「和樹くんっ!!シュートっ!!シュートっ!!」

なんてよくわからないサッカーの応援をしてみたり。


和樹もサッカーだけではなく、櫻との接点が増えた。

これまでなら砂場でご飯を食べる真似だけで、サッカーに戻っていったものだが、櫻と一緒にお皿に砂を盛ってみたり。

「お母さん?今日のご飯はなぁに?」

と父親の真似をしてみたり。


少しずつ、男の子の遊び。女の子の遊び。という垣根を越えて、お互いに相手に合わせる事もできるようになってきた。

暑かった夏が過ぎ、秋の親子遠足では動物園。

冬の寒い日に雪が降ると家の前で一緒に雪だるまを作った。

二人はいつも一緒。

同じ視線で同じ思い出を共有しながら少しずつ成長していた。