和樹が小学3年生になるとフットサルをやめて、学校のサッカー部に入部した。

幼稚園の頃からフットサルをしていた和樹は、入部してすぐに上級生からレギュラーを奪い、6年生になるとキャプテンを任された。

そして6年生の秋。

虹色小学校のサッカー部が創立以来初めて、地区大会を優勝して、全国大会に駒を進めた為、地元の新聞で取り上げられるほど。

新聞に載った和樹のあだ名は、《虹色小の雷神》

弱小チームを全国大会に導いたという見出しで書かれて、全国大会はベスト8で敗退したのだが、地元ではちょっとした有名人扱い。

和樹と櫻が一緒に近くのコンビニへ行くと、隣の学校の男子小学生が、ひそひそと小声で話しているのが二人に聞こえてきた。