幼馴染み~初恋物語~

櫻は学校が終わると、家に戻ってチョコレートを袋に詰めて公園へとやって来た。

「櫻ちゃんのチョコレート可愛いね~?」

「愛瑠ちゃんのも可愛いよ~っ!!みんなのも可愛いっ!!」

みんなで交換したチョコレートをまた持ってきた袋に片付けると、数人で遊び始めた。

好きな子に渡しに行くため、途中で抜ける子もいれば、愛瑠のように今日ではなく、習い事で会った時に渡す者もいる。

櫻は途中で帰りたいと言いにくくて、暗くなるまで遊んでいた。

あっ…………和樹君にチョコレート渡さなきゃっ!!

みんなが解散すると、慌てて和樹の家に向かう櫻。

その道中で目にしたのは、道端で穂香と和樹が一緒にいる姿。

和樹君と穂香ちゃんだ…………

櫻は穂香がスーパーで買っていた、高価なチョコレートを和樹に渡している姿を目撃してしまったのだ。

「私ね…………運動会の時に清山君を一気に抜かしそうだったのを見て、カッコいいなぁ…………って思ってて…………」

隠れて見ている櫻にだってわかる。

男女関係の独特な少し重たい空気。