幼馴染み~初恋物語~

バレンタインデー前日。

櫻は母親に教えてもらいながら、チョコレートを鍋で溶かして、直径3センチほどの小さなハートの形や星形や丸い型に流し込んでいた。

「思ってるよりいっぱい入っちゃった…………」

「もう少し、ゆっくり入れないとね?」

星形の型からチョコレートが溢れたり、ハートの形にチョコを多く流し込んで丸くなったり大苦戦。

「難しい………もう無理だよぉ…………」

「櫻だけ変な形でもいいの?」

「やだっ!!」

必死に頑張る櫻は何とか要領を掴んで、少しずつ形が整い始めた。

「お母さん?これ上手に出来てない?」

「うんうんっ!!上手~!!」

こうして小さな型の友チョコの分は大量にできた。

その上からココアパウダーを振ったり、カラフルな粒々のチョコレートを乗せたりして、楽しくデコレーションしていく櫻。