幼馴染み~初恋物語~

和樹も同じように無関心を装っていた。

幼稚園の頃から櫻はチョコレートをくれていたのに、ミーハーな母親がこんな事を言っていた。

「和樹は好きな子からチョコレートもらえるの~?」

こんな事を言われると、櫻からチョコレートをもらえるのか?と、期待と不安が半分ずつ。

「絶対に誰もくれないよ?」

貰えなかったら困るので、誰もくれないと返した和樹。

そんな母親の話もあり、いつも貰える物という意識が消えて、気にするようになったのだ。

当たり前のように貰っていた幼稚園の頃と、今ではほんの少し重みが違う。

今なら幼稚園の頃のように、いつも一緒にいるからではなく、ちゃんと好きという気持ちがあるのだから。

そう考えると、自然と和樹も女の子の集まってる場所に耳を傾けていた。


櫻ちゃんは…………

僕にチョコレートくれるのかなぁ…………