あの人を平手打ちしてしまったあとあたしは大広間に通された。そこには緊張した面持ちの男が中央に座っていた。その左隣には童顔の男が居た。
「お嬢さんどうかこのことは内密にっ!」
「へっ?」
「新撰組副長の土方歳三が女の子に平手打ちさせられて気絶したなんて世間に広まったら…なんでもするから言わないでくれ」
絶体絶命だと思ったのに…これはラッキーじゃない?
「言いません。あたしこそすいません。でも行くところがないんです。置いてくれませんか?」
「ここは野郎ばっかで女はいないしむさ苦しいところだがそれでいいなら」
「はい。よろしくお願いします」