と爽やかに笑われた。その笑いは馬鹿にしたような笑いじゃなくて、



人を幸せにするようなそんな優しい笑い方…。




「馬鹿にしないでください先輩。」




「馬鹿になんてしてないよ。」



いきなり笑うのをやめて真剣な表情になった先輩。




「ほんとに藍ちゃんは可愛いと思ってる。俺、思ってる以上に藍ちゃんに溺れてるみたいだから…。」




「先輩…?」




先輩はそう言いながら私の頬を両手で包み込む。



まるで腫れものにでも触れるように




そっと…




「だから藍ちゃんも俺だけ見てて欲しい…。俺しか見ないで?


俺だけに溺れてて…。」




「先輩…。」



私はただ見つめる事しか出来なかった。




先輩の表情があまりにも色っぽくてこれ以上にないくらい切なそうで…。




私は一瞬先輩の事愛おしいと思った。




生まれて初めて誰かにドキドキして




誰かに取られたくないって思った…