花明かりの夜に

「いえ、これは拾っただけなんです――落ちていたので。

別に興味があるわけじゃ……」


(だって、わたしには関係ないことだもの)


早口で言いつのる沙耶に、紫焔はくすくすと笑う。


「不思議だね。わたしも知らないようなことが書いてあったよ」

「……」

「面白かった」

「……はぁ」


何と返事していいかわからず、曖昧にうなずいた。


(書いてあることはウソだとおっしゃりたいの……?)


紫焔は涼しい顔で、湯のみに手をかける。


「まぁ半分は合ってるな」