花明かりの夜に

「……?」


紫焔の優雅な細い指先がくるくると開いていくその紙切れは……


(あ!)


沙耶の頬がさっと紅潮した。


「申し訳ありません、わたしが落としました」


紫焔の指先から引ったくるように取ると、急いで懐に突っ込んだ。

――帰り道で拾った、紫焔の恋多き男ぶりを描いた瓦版。


よりによって、当人の部屋で落としてしまうとは。


「もう見たよ」

「……」

「そういうのに興味があると思わなかった」