花明かりの夜に

爆弾か何かのようにこわごわと遠巻きに和菓子を見つめる沙耶をしばらく眺めていた紫焔は、軽い口調で付け加えた。


「手合わせに付き合ってくれるお礼だ。

遠慮なくおあがり。おいしいから」


(手合わせのお礼……)


なるほど。

それなら、と納得して、例によって少し離れてちょこんと腰掛ける。


「あ……」


(おいしい……)


それでも、茶菓子に頬をほころばせて。

竹刀を振り回しているときとは全く違う表情に、見ていた紫焔はかすかなほほえみを口元に浮かべた。


「これは好きなのじゃないかと思った」