花明かりの夜に

その日の出し物が終わると、今度は弥之介の慰みものにされた。

当たり前のように。


「沙耶。何か食いに行くぞ。

ほしいものがあれば言え」


弥之介は太っ腹にも、沙耶に欲しいものはいくらでも買ってくれた。

が、現金はまず渡そうとしなかった。

現金を渡せば逃げられる。それくらいの認識はあったのだろう。


もちろん、別に一日中鎖につながれていたわけでもないのだし、逃げようと思えば逃げられたはずだった。

ただ、気力が沸かなかった。

弥之介に穢された自分の体が、もう何の価値のない、ボロボロの、ただのゴミみたいに思えて。

ここでこんな低俗な出し物に出て、男のなぐさみものになっているのがあつらえむき。それが自分のような人間にはちょうどいい。

もう女として、人間として、すっかりダメになってしまった、穢れた自分には。