花明かりの夜に

引き止めてもらえないか、心のどこかで待っていた。

ふすまがピタリと閉まる、その瞬間まで。



 * * *


「いいぞいいぞ」

「おい、見えないぞ、座れ!」


客席の男たちの歓声やひやかしや怒号が飛び交うなか。

当たりを引いたどこかの見知らぬ男に、着飾った派手な服を乱されていく。

毎晩毎晩。


“好きに出来る”の中身は、どの男も大差なかった。

くじにはずれた男たちも、目の前の舞台で繰り広げられるみだらな行為のかずかずに拍手で大喜びした。


「よくやったな、沙耶。

今日も大入りだ」